最近、夕方になると急に空が暗くなり、
激しい雷雨に見舞われる「ゲリラ豪雨」が多いですよね。
先日も夕方に酷いゲリラ豪雨があったのですが、
20時過ぎに職場を出る頃には雨もすっかり上がっていました。
「よし、今日は雨も止んだし傘はいらないな!」
ルンルン気分で傘を持たずに帰路についた私。
……はい、この時の甘い判断が、この日の運命を大きく変えることになります。
最寄り駅に到着したのは、21時過ぎのこと。
改札を抜けて外に出ようとした瞬間、目の前には滝のような激しいゲリラ豪雨が……!
「しまった……! 職場に傘を置いてきてしまった……!」
悔やんでも覆水盆に返らず。
自責の念に駆られつつも、
背に腹は代えられないと家に電話をかけました。
すると電話口から、神様のような返答が。
「雨すごいね! 傘持って駅まで迎えに行くから待ってて!」
なんと優しい我が妻!
感涙しそうになりましたが……
いや待てよ、と我に返ります。
こんな猛烈な土砂降りの中、愛する妻を外に出すなんてとんでもない!
「ありがとう! でも2〜30分もすれば止むと思うから、駅で待っていくよ!」
と伝え、雨宿りを決め込みました。

しかし……30分経っても一向に雨が弱まる気配はありません。
スマホを取り出し雨雲レーダーを確認してみると、
なんと「23時過ぎまで雨は止まらない」という衝撃の判明!
「参ったなぁ……」と駅の庇(ひさし)の下で途方に暮れ、
ふと前を向いた時です。
街灯の向こうに、ぽつんと温かい明かりが目に飛び込んできました。
「あ……あそこ、前からずっと気になっていたバーだ。」
これぞ天の配慮、いや「運命の出会い」に違いありません!
(もちろん、家には「雨宿り兼ねてちょっと一杯飲んでいくね」と連絡を入れましたよ!)
濡れないように小走りで店内に駆け込むと……
そこはまさに大人の隠れ家。
居心地の良いオーセンティックバー(本物志向のシックなバー)だったのです!
マスターと奥様の二人三脚で経営されていて、
創業はなんと1948年(昭和23年)!
今のマスターは2代目とのこと。
店内には昭和の大スター・鶴田浩二さんの写真が飾られていたりと、
古き良き昭和の歴史と温もりを感じる素晴らしい空間です。
マスターや奥様との楽しい会話に花を咲かせ、至福のひととき。
カクテルの「ジントニック」を味わい、
続いて「ジェントルマンジャック」をロックでちびりちびり。

マスター手作りの美味しいお通しをつまみながら、ふと時計を見ると23時ぴったり。
外へ出ると、あんなに激しかった雨が見事にピタッと止んでいました。
そしてお会計。
本格的なカクテルとウイスキー、お通しまでついて……
なんと合計3,000円!
老舗のオーセンティックバーでこのお値段は、あまりにも安すぎます!
「最高の雨宿りだったなぁ!」と上機嫌で帰宅し、
ウキウキで妻に事の顛末とバーの素晴らしさを報告したのですが……
妻から返ってきたのは、なんとも冷静で鋭い一言でした。
「3000円も出すなら、その半額でタクシーに乗って速攻で帰れたじゃない(笑)」
……うっ! ぐうの音も出ない正論……!!(笑)
確かに、1500円のタクシー代を払えば濡れずにすぐ帰れたかもしれません。
でもね、もしあの時タクシーに乗っていたら、
1948年から続くあの素敵なバーとマスター夫妻に出会うことはなかったのです。
1回分のタクシー代で買えた、
最高の時間と新しい行きつけのお店。
妻の愛ある(?)毒舌に苦笑いしつつも、
心から「あぁ、今日は本当に佳き日(良き日)だったなぁ」と幸福感に浸った夜でした。
人生、たまには予定調和を脱して、雨に流されるのも悪くないですね!
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